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昼:タコス。
夜:リゾット、スープ。

良い夢を見た。
新しい記憶に埋もれていったものを引っ張り上げてくれた夢。



"「声をだに聞かで別るる魂(たま)よりも
亡き床に寝む君ぞかなしき」

夫が仕事で遠くにあるときのこと、妻は病に襲われて亡くなろうとしている。
そんな時に詠まれた歌。よみ人しらず。
彼女は遠く離れた夫に向かって、あなたの声を聞くことができずに逝こうとしている私よりも、私が逝った後、夜、独り寝るあなたの悲しみのほうがよほど耐え難いだろうという。

かつて「かなし」という言葉は「悲し」「哀し」と書くだけでなく「愛し」と書くこともあった。
先立つ者は、残された者の生を思い、かなしむ。
それは単なる悲嘆の表現ではなく、尽きることのない情愛の吐露でもあった。"

若松英輔著「悲しみの秘儀」より